衝撃!EUパワー

著者(編集者):大前 研一
出版社:朝日新聞出版

19世紀的な国民国家の概念では、たとえ自由と民主主義を保証したとしても、アイデンティティーの異なる異民族をその枠組みの下に支配することはできない。 EUという超国家の誕生は、数100年続けられてきた紛争の歴史を消滅させようとしている。彼らの描く国家像は、EUという大きな枠組みを認めながら、自分達のアイデンティティーを失わず、両者が決して2者択一ではなく、より大きなものに、より強い経済に進んでいこうという共通の目標を持っている。
EUを支える「ノブレス・オブリージュ(高い身分に伴う義務)」ユーロ創設に当たり経済的に強い西ドイツはあらゆる犠牲を引き受けた、フランスはルール作りに力を発揮した。変わって経済成長享受できたスペインやポルトガルは、ユーロ税の受益者となり、経済発展がすすんだ。
以上は、単位を小さくした地域社会でも同じことが言えると私は考える。EUの考え方は、ヨーロッパのみならず、皆さんの住む街でもあてはまることから、EUの考えの中の不変の真理を知る。
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