プロフェッショナルマネージャー

著者(編集者):ハロルド・ジェニーン
出版社:プレジデント社

経営者は経営しなくてはならぬ!
経営者は経営しなくてはならぬ!
経営者は経営しなくてはならぬ!
何べんいったら本当に分かってもらえるのだろう?
この場合、経営者とは起業なり何なり事業を運営するマネージャーのチームを言う。
経営するとは何かを成し遂げること、マネージャーである個人なりマネージャーのチームなりが努力するに値することとしてやり始めたことをやり遂げることだ。「しなくてはならぬ」とはそれをやり遂げなくてはならぬと言うことだ。マネージャーはある会計年度末までに満足すべき収益を上げるための事業計画と予案を立てる。事業計画はマネージャーが狙いを定めたターゲットである。それを達成したいと思うだけでは不十分だ。経営するとは一旦その事業計画を定めたら、売上やら市場占拠率やら、その他なんであれ、それを達成すると誓ったことを成し遂げなくてはならぬことを意味する。達成できるか出来ないかは、マネージャーであるか。そうでないかである。
世の中には、出来なかった千もの理由がある、国民経済の下降、インフレ、資材供給不測、天候、新しいテクノロジー、外国との競争、、、あるいはそれらの組み合わせ、そして「やりかたによってはもっと悪くなっていたかもしれない」、そして自らのチームになんとかやったという賛辞を送る結末。
しかし、経営者は経営をしなくてはならぬと言う信条に立つなら、いくら論理的に完璧でもそうした説明にはなんの意味も持たない。意味をもつのは達成したか達成しなかったか。
最後に、半世紀以上経営決定をしてきたその全てを要約せよと言われたら、究極的な成功を目指して事業を経営するコツは、かまどで何かを料理するときのようにやることだと言いたい。
かまどで料理するときは、火や薪や空気の流通その他の要素は自動的にはコントロールされないから、絶えず全てに気を配っていなくてはならない。また料理についてはある程度までレシピに従うだろうが、何か自分自身のものを加える。調味料やスパイスを入れるのに、いちいち計量はしない。放り込んだり、注いだり、それから調理を出て行くのを見守る。鍋から目をはなさない。、時々出来具合を見る。においをかぐ、指を突っ込んで味見をする。自分の好みに合うようにまた、何かを少し添加するかもしれない。そして、それらが全て全体の中に溶け込むのをまって、また味をみる。それから同じことをもう一度。何かが気に入らなければ修正する。一番大切なことは目を離さないこと。ほかの事に気を取られると煮すぎたり、焦げ付いたり、調度良いときにそこにいてかまどから鍋を下おろす。これがボタン一つで出来上がる料理よりは抜群に美味しい。
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