今回のコラボレーションのコンセプト、デザインについて教えてください
「今回発表する ART KIMONO のコンセプトは「纏(まと)う」です。 プロジェクトの主体にもなっている「成田山詣(もうで)に新しいかたちを取り込む」をベースに、「ARTを纏い」包みこまれるように、ARTKIMONOを着ることで詣の世界感が切り替わるARTとして制作しました。デザインには自身が描く、赤いマントをつけた白いうさぎのドローイングキャラクター「ふわり」を様々なストーリーに登場させ、ARTKIMONO全20着と帯、それぞれ絵柄・デザインが違う限定作品として創りあげています。 (着物制作S E M B L )
デザインには自身が描く、赤いマントをつけた白いうさぎのドローイングキャラクター「ふわり」を様々なストーリーに登場させ、ARTKIMONO全20着と帯、それぞれ絵柄・デザインが違う限定作品として創りあげています。
完成した作品はNARITAでの新しいARTの体験として、作品の中に出てくる「ふわり」がヒーローになるためにつけている赤いマントと、このプロジェクトのARTKIMONOを「纏う」人がが同じような感覚で「ART詣」に繋がるようにイメージしています。 "ヒーローがマントを纏うことで日常の世界が切り替わる=ARTKIMONOを着てこれまでの成田山詣がアートの体感に切り替わる"を重ね合わせ、ここでしか出来ないARTにしていきたいと想い制作しました。」
ARTKIMONOの制作や秘話について教えてください
「このARTKIMONOの制作は生地の制作からはじまりました。既成のものではなく1から制作したので生地の選定から色、デザインを調整し、300メートルにもなる生地が完成しています。
その中で1着づつデザインが違うので300メートルの長さから、手前の1メートルをデザインしながらの300メートル先をイメージしてゴールを目指していく制作は、これまでの作品で経験のないことで新しい挑戦にもなりました。 そして今回のARTKIMONOの制作にはファッションデザイナーSEMBL(センブル)さんにもコラボレーションして頂き、着物を仕立ててもらったのも貴重な協働作業になりまし、制作工程の中には生地の裁断で成田の地元のおばあちゃん、サポートしてくれるみんなと一緒に作業したりと「過程」も大事にして制作しました。
色々な方々との制作、はじめてのファッションへの挑戦など経て完成したARTKIMONOの完成時にみんなで喜んだのもすごく思い出でもありますね。 今回、大人だけではなく子ども着物もつくりました。 すごく可愛く出来上がり、着るだけでたのしくなります。 作品として機械的につくりあげたものではなく、手作業で完成した20着なので、このARTKIMONOを纏って成田山の参道を詣するときにも有機的な出会いが生まれるのがイメージできた作品でもあります。300メートルの生地はすごい量でしたね」
ご自身が代表・ディレクターを務める成田空港圏初の現代アートプロジェクト「ふわりの森」を手がけられていますが、ART詣との連携など教えてください
「2014年から自身のふるさとでもある成田空港圏での初の現代アートプロジェクト「ふわりの森」を立ち上げ、「成田空港から、都心から、地域から」アクセスできるアートエリアをつくりあげています。 主体にはアーティスト・イン・レジデンスを持ち、国内外の注目のアーティストをNARITAに招聘し、滞在制作を行ってパブリックアートを制作しています。これまで成田で現代アートに触れる場所がなかった中で、ギャラリー、カフェ、展覧会を手がけているので多くの方々とふるさとでARTを盛り上げていけるのはとても嬉しいです。
多くの作品が生まれて、たくさんのアーティストが参加してくれて、「ふわりの森」も10周年を越えてNARITAでのARTを広げて行くことができました。 これまでの活動があったことで、今回のART詣のプロジェクトに声をかけていただけたと思っているので、すごく光栄でした。 この場所(成田)でいきなりアートをやることは瞬間的は可能かもしれないですが、根付かなくなってしまうので、オファーを頂いたときに、これまでの活動がこのART詣に繋がると思い、新しく根づいて広がるART作品にできたらと想い携わせていただきました。 ふわりの森でつくってきた今あるパブリックアートや壁画(常設)に加えて、ART詣はあたらしいかたちで連携ができるアクション型(参加型)のアート作品だと思っています。 ARTKIMONOが完成し披露されたオープニングには成田市長の小泉市長をはじめ、千葉県庁の皆さん、携わってくださった多くの皆さんがきてくれて、完成したARTKIMONOに大きな期待をして盛り上がってくれたのもすごく嬉しかったです。これからの広がりを感じさせてくれました。 なので新しいNARITAでの滞在としてもこのプロジェクトが様々なこととコラボし全体にアートを広げて行けるプロジェクトにしていけたらと思っています。
これまでなかった参加者がARTKIMONOを纏いNARITAを歩く、流動的ですごく楽しみなプロジェクトです。NARITAにお越しの際にはアート作品への参加としてもぜひこのARTKIMONOを楽しんでください。」
完成したARTKIMONOでのアートツアーも魅力的でしたね
完成後にARTKIMONOを着て成田空港圏のアートを周るアートツアーも行われました。すごく好評で、成田山をはじめ成田空港からアクセスできるアートスポットをふわり柄のARTKIMONOで周るのはその様子を見ていた方々からもすごく声がけを頂きました。
自身がオーナーでもありふわりの森のアートカフェTOAST AND HONEYでの時間もこれまでになかった楽しみ方で喜んでもらえてよかったです。
自身のアトリエでもありギャラリーも構える日本家屋でも成田の里山と農村地区を楽しめる時間になり、成田を訪れる多くの人に喜ばれる場所になっています。 普段もこの場所ではアーティストの滞在があったり、展覧会や芸術祭も行われるのでそのタイミングでARTKIMONOを楽しめるのは都内からはショートトリップ、海外からは日本を楽しみにこれる機会になりますね。 ふわりの森が手がけている展覧会”DISCOVERY”のコンセプトでもある「NARITAにARTを目的の旅をする」にART詣の連携でよりNARITAでのARTが盛り上がるのがすごく楽しみです。アートツアーもぜひ楽しんでください。」
期待がたくさんのお話ありがとうございました!
今後、成田をどのような場所にしていきたいですか?
「ふるさとでもあるこの場所が世界中から集まる場所になれたらうれしいです。 自分にとってもアーティストとしてのルーツでもあり、記憶がたくさん詰め込まれた場所なので、これからも賑やかで創造的なふるさとづくりができたらと思っています。 ふわりの森のコンセプトにもなっている「”NARITA”の文字の中に”ART”が入っている」ことをアートプロジェクトで形にし、世界中の空港のボーディングボードに表示される「NARITA」を見たときにARTがあるNARITAがと多くの人が認識し、それを目的に旅をしに来て欲しいと思っています。 このART詣でARTKIMONOに挑戦させてもらえたことで、その想いをさらに広げることができました。現在も同時進行で本当に多くのプロジェクトも並行していて進んでいるので、全てが連携し、NARITAでARTを楽しめる場所にしていきたいです。ぜひARTKIMONOを着てNARITAを楽しんでください!滞在できるアートホテルもつくりたいですね。それもまた今度に!大好きなふるさとでもあります、ぜひ楽しみに来てください。」